ウクライナ―言語

ウクライナ語はインドヨーロッパ語族——東はインドからイラン、西はアイスランドまでを含む広大な地域で話されている言語——の中のスラヴ語派に属する言葉です。スラヴ語派は、西スラヴ語群、南スラヴ語群、東スラヴ語群に分かれます。西スラヴ語群に属するのは、ポーランド語、チェコ語、スロバキア語など、南スラヴ語群は、セルビア語、クロアチア語、ブルガリア語など、東スラヴ語群属するのは、ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語などです。西スラヴ語群に属する言語は、文字にラテン文字使用し、南と東のスラヴ語群は、キリール文字を使用します。これは西スラヴ語群の国々はキリスト教カソリック教会に属し、残りの二群の国々はキリスト教正教会に属していたからです。つまり、西スラヴ語族は、西ローマ帝国の文化圏にあり、南と東は東ローマ帝国の文化圏に属していたのです。セルビア語とクロアチア語は、セルビア・クロアチア語と称され文法的にほぼ同一の言語として扱われますが、使用する文字が異なります。キリスト教の会派が異なるからです。ユーゴスラビア紛争の際、同じキリスト教でありながら会派が異なるために、この二つの国は徹底して戦いました。