濹東綺譚―永井荷風

今月は40年ぶりで「濹東綺譚」を読み返しました。「すみだ川」と同じように、初めて読んだのは二十歳の時でした。ひどく感動したらしく、上京して直ぐ、「濹東綺譚」の舞台の痕跡を探しに向島近辺を散策しました。東京の右も左も分からない田舎者に何かを探し出せるわけもなく、Gayのおじさんに声を掛けられたことだけは、覚えています。出だしの警官に声を掛けられる場面以外は全く記憶になく、初めて読んだような感動を覚えました。率直に申して、二十歳そこそこの若造に理解出るような内容ではありません。初めて読んだとき、一体どこに感動を覚えたのか、自分乍ら不思議でなりません。改めて向島探訪に出掛けたいと思いました。

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